木材等需要拡大プロジェクトチーム
自由民主党政調に設置されている本プロジェクトチームは、谷川弥一主査の下 木材等の需要拡大について検討を続けて参りました。ここで簡単に会議の内容を説明致します。
ご承知のとおり、自由民主党と政府は政策においてほぼ一体です。我が国における政策の基盤議論は、自民党の朝の勉強会でつくられていくということは以前にもご説明しましたとおりです。そのため、自民党内には政調会長を筆頭とした政調会があります。これが自由民主党の政策機関です。(詳細については自民党のホームページをご覧下さい。)
http://www.jimin.jp/jimin/yakuin/yakuin-3.html
今回、プロジェクトチームでは中間とりまとめを行いました。内容をご報告致します。
当プロジェクトチームは、木材等需要の太宗を占める住宅に関連した制度の検証等を行うなど、国産材を主とした木材等の需要拡大を図るため、昨年12月、今後の具体的な検討方向を明確化した「木材等需要拡大についての具体的検討の方向」をとりまとめたところである。今年は、有識者等からのヒアリング等を積極的に行い、具体的な検討方向についてさらに掘り下げた議論や意見交換を進めてきたところであり、これらを踏まえ、平成19年度予算の概算要求を向けて、検討すべき施策について下記の通りとりまとめる。
1 規正緩和の周知・徹底等による木材利用の推進
・ 平成12年の建築基準法の改正において、性能規定化の考え方が導入され、建築物への木材の利用範囲が拡大してきているが、現場においてその事が未だに十分浸透していない。木材の利用範囲が拡大していることについて分かりやすく整理するとともに、木材関係者をはじめ消防、建築関係者にもその具体的内容の周知・徹底をはかるべきである。
・ また、マンション等の内装材等の木材製品の開発とその供給体制の整備を推進すべきである。
2 間伐等を通じた国産材の大ロット安定的な供給体制の整備
国産材の安定的な供給を図るため、森林所有者に集約化を働きかける新たな手法の検討・普及や路網と高性能林業機械を組み合わせた一層の低コスト化を図る作業システムの整備・普及等を民有林・国有林一体となって推進すべきである。
3 公共事業等における地域材利用の推進
・ 関係省庁連絡会議等を通じ、公共事業への戦略的な木材(地域材)活用を検討するとともに、擬木柵に代わる木材製品の活用、環境にマッチした木製ガードレール等の利用促進、学校での木製机や椅子等の導入促進を図るべきである。
・ また、グリーン購入法に基づく、合法性等の証明された木材・木材製品の積極的な使用を一層推進すべきである。
4 木質バイオマス利用の促進
・ 林地残材等のバイオマス資源をエネルギー等として活用するモデルを構築し、ビジネスベースでの利用を推進すべきである。
5 消費者等へのPRの推進
・ 木材の良さや木材利用の意義への理解を深めるためマスメディアを活用した国産材の情報発信・PR等を推進すべきである。
・ 関係府省等と連携し、児童等への木材を利用する事についての環境教育活動を通じた木の文化への理解を深めるべきである。
・ このために、木材関係団体等が構成する木材利用推進中央協議会の積極的な活用を図るべきである。
6 森林や木材の良さ、環境優位性に関する科学的知見の蓄積
大学や研究機関等と連携し、森林や木材の特性を科学的に把握するとともに、広く国民に情報発信すべきである。
上記の通りとりまとめられました。要するに必要以上に木材以外の利用が多くなっている住宅や建築・建造物に対して、規制・文化・環境・科学等々の角度から見直し、規制緩和・伝統文化の啓蒙・環境保全・健康についてなど木材の需要を広げる政策を展開していこうというものです。今後の活動にご期待下さい。