五島、壱岐、対馬をはじめとする長崎県の国境離島地域は、我が国の領域及び排他的経済水域等の保全、海洋資源の利用、海上交通の安全など、国家的に重要な役割を過去から現在そして未来にわたり担い続けなければなりません。
このような中、我が国周辺海域において近隣諸国の海洋安全保障や海洋権益をめぐる主張、活動が活発化しており、これまで以上に、国境離島地域の保全、管理及び振興を適切かつ早期に図る必要があるのではないかと思っています。
特に、国境離島地域は地理的不利な条件のため急激に人口減少し、地域社会の維持が困難な離島や無人化の恐れのある離島が増加している、このような現状を目の当たりにし、離島出身の国会議員として強い危機感を持ち、人口の定住化とそのための産業振興・雇用創出が急務ではないかと考えてきました。
また、人口139万人の沖縄では沖縄振興法、人口12万人の奄美諸島には奄美振興法により、それぞれ826億円、21億円の振興のための交付金があります。しかし人口42万人の国内離島のための交付金予算額は、わずか12億円しかありません。政府の財政状況を考えるとすべての国内離島を手厚くすることは極めて困難であることも理解しているつもりです。
とは言え、離島の中でも国土保全上重要な役割を担い、より厳しい状況下の国境離島地域に対し振興策を拡充しなければならないとの思いから、昨年10月、自民党離島振興特別委員長に就任以来、新たな振興策を講じるため各方面と精力的に協議し進めているところです。
国境離島地域の定義をどのように定めるのか、新たな財源をどこからもってくるのか、具体的な施策をどうするかなど、まだまだ課題は山積ですが、一つ一つ乗り越え、可能な限り早期に取りまとめを行い、新たな振興法の成立に向け引き続き全力を傾注する決意です。